Story 私にとっての5-56 阿立 信昭氏

常に、上を目指し自らを磨き上げ続けるリーディングパーソンに、その錆びない心の秘密を聞くスペシャルインタビュー「Story 私にとっての5-56」。
第1回は、スーパーGT、スーパーフォーミュラーという日本のトップカテゴリーで近藤真彦監督とともに戦うKONDOレーシング御殿場ファクトリーのトップ阿立信昭さんをお訪ねしました。

「『勝ちたい』というモチベーションが
チームをひとつにしています。」

Q:KONDOレーシングと言えば、タレントの近藤真彦さんのチームとして有名ですが、どんな雰囲気のチームなのでしょうか

阿立信昭さん(以下/阿立):世間で想像するようなタレント色は、まったくありませんね。むしろ、男臭い地味なチームと言ってもいいでしょうね。

Q:それは近藤監督のカラーですか?

阿立:世間一般で知られている近藤真彦さんは華やかで派手なイメージがありますけれど、近藤レーシングの近藤監督は、まったく違います。どっちかと言えば、派手さと言うより男っぽさですよね。

Q:タレント監督というイメージではない?

阿立:チーム監督の仕事というのは、実はメーカー間の折衝とかドライバーの調整とか、オフシーズンの地味な地固めの仕事が大切なんです。近藤監督は、ファンミーティングなどで華やかな一面を見せることもありますけど、そういう地味な仕事をすべて自分でやっているんです。タレントと言うより根っからのレース屋という感じですね。そういうところが、レース界で近藤監督が認められている理由だと思います。

Q:そういう近藤監督だから、みんなの気持ちがひとつになるんでしょうか?

阿立:それもあるかもしれませんが、一番大切なのは「レースで勝ちたい」というモチベーションです。監督も、ドライバーも、メカニックも、それぞれが「勝ちたい」という強い思いを持っていることが重要で、レーシングチームというのは誰かがひとつにまとめるのではなくて、その思いがひとつにしているんだと思います。

「メカニックの確かな作業が
勝敗のキーポイントになります。」

Q:チームでのメカニックの仕事についてお聞かせください。

阿立:現在、スーパーGTもスーパーフォーミュラーもワンメーク化していまして、チーム単位での設計や改良ができないレギュレーションになっています。ですから、メカニックの主な作業としては、各レースに合わせて、車両の分解、整備、各パーツのクラックチェック、ライフ確認、交換パーツの管理といったことになります。それをレースごとに繰り返して、各レースに合わせて最大限にクルマの能力を引き出せるようにするというのがメカニックの役割ですね。

Q:レース中は、どのような作業をしているのですか?

阿立:事前にクルマは仕上げていくので、レースでは基本的には微調整ですね。ドライバーとエンジニアが話し合って、クルマをどういう方向に持っていくかを決めます。メカニックは、それに従ってクルマを調整していくわけです。それと、タイヤ交換などの、いわゆるピット作業ですね。

Q:レース前の調整、レース中の対応、レース後の整備というのを繰り返すわけですね。

阿立:繰り返すと言っても、実際にレースの環境は毎回違います。コースが違うだけでなく、季節、気温、湿度、さまざまな条件が異なりますから、仮に同じコースだとしても、同じ環境というのは、まずありません。それに合わせてセッティングしていくので、実は各レースごとに、まったく異なる対応をしているんです。

Q:その一連の作業がレースの結果を左右したりするわけですね。

阿立:レースの結果もそうですが、時速300㎞/hで競争するクルマを整備しているわけで、そこには運転するドライバーの命というのも関わってきます。一つ何かあれば、大きな事故になりますし、ドライバーもクルマに不安があったら実力を出し切れないわけですね。メカニックが確実な仕事をするということは、クルマの安全性を高めることでもあり、それが結果的にレースの結果に結びついてくると考えています。

Q:メカニックがレースのキーポイントになる?

阿立:クルマを走らせてレースをするのは、あくまでもドライバーですが、ワンメークレースでは、クルマ自体の性能に差が無いので、コース上で抜くのが、かなり難しくなります。そうなると、クルマの仕上げ、調整、そしてピット作業など、メカニックの関わる部分が重要になってきますね。

「KURE5-56には
他の製品には代えられない良さがありますね。」

Q:そうしたシビアな現場でKURE5-56は、どのように使われているでしょうか?

阿立:KURE5-56は、メカニックの必需品ですね。例えば、ハブラインなどでベアリングを組み込む時に温度を上げて組み込むのですが、その時にカジるのを防ぐためにKURE5-56を使います。あと、ここ御殿場は、けっこう湿気が多いんです。レーシングパーツというのは、鉄のパーツでも錆び防止のメッキをかけるということがないので、そのままにしておくと錆びてしまって使い物にならなくなります。場合によっては、錆に浸食されて、そこから折れたりしますから、パーツの保管にもKURE5-56は欠かせません。

Q:KURE5-56の良さは、どこにあるでしょう。

阿立:KURE5-56を使っていて一番気に入っているのは、乾きがゆっくりしているところですね。たまに他のものを使っても、すぐに乾いて飛んでしまうので使いづらいんです。その辺、やっぱりKURE5-56は考えられているなと思いますね。

「『ピット作業で勝つ』、それが目標です。」

Q:メカニックとって必要な資質とはなんでしょうか?

阿立:まず、クルマが好きなこと。クルマじゃなくてもバイクでもなんでも、動力が付いていて走る乗り物が好きなことですね。それと、負けず嫌いなことでしょうか。先ほども言いましたが、レーシングチームのスタッフとして「勝ちたい」というモチベーションは、とても重要です。また、メカニックとしても、先輩でも何でも「追い越してやろう」という気持ちを持つことが、技術を高めてくれると思います。しっかりした技術を持ったメカニックなら年齢は関係ない、というのがこの世界ですから。

Q:ファクトリーのトップとして、今、どのようなメカニックが欲しいですか?

阿立:一番欲しいのは、タイヤ交換の早いメカニックですね(笑)ワンメークレースではピット作業が重要だと言いましたが、タイヤ交換タイムは、そのままレースタイムになりますからね。1秒でも確実に早くしたいというのは、みんなが思っていることです。普段から、ファクトリーでもタイヤ交換の練習をしているんですが、やはり練習と本番では違いますね。メカニックの技術は、時間をかければある程度上達するんですが、タイヤ交換というのは、ある意味センスなんですね。スポーツみたいなものですから、技術だけでは超えられない部分があるんです。

Q:最後に、今後の目標があればお聞かせください。

阿立:やはり、参戦するすべてのカテゴリーで優勝したいですね。できれば、ピット作業の早さで勝敗が決まっての優勝でしたら、文句がないのですが(笑)

常に、上を目指し自らを磨き上げ続けるリーディングパーソンに、その錆びない心の秘密を聞くスペシャルインタビュー「Story 私にとっての5-56」。
第1回は、スーパーGT、スーパーフォーミュラーという日本のトップカテゴリーで近藤真彦監督とともに戦うKONDOレーシング御殿場ファクトリーのトップ阿立信昭さんをお訪ねしました。

Profile

KONDO Racing Team
御殿場ファクトリー 工場長 阿立信昭
生年月日  1964年7月9日
1987年1月 レースメカニックスタート
      トムス、ADレーシング、スーパーアグリに在籍
2008年1月 STI株式会社 エンジニア契約
2009年1月 株式会社シフト S-GTエンジニア契約
2010年1月 株式会社RDS エンジニア契約
2011年1月~2013年12月 STI株式会社 車両開発&エンジニア契約
2014年1月 株式会社エムケイカンパニー