DIYマイスターが、毎日の暮らしをハッピーにしてくれるオリジナルDIYを伝授する「Use 遊び心DIY」。
第4回は木工の達人・白井 糺さんの「木で作る子供のおもちゃ」の第2回、「木で作るピンボールボード」です。
カラフルでかわいいデザインのピンボールボードは、家族みんなで楽しめるだけでなくインテリアとしても映えますよ。

材料準備

今回は主要材料をDIYショップでカットしてもらい、効率的に制作しようと思います。もちろん自分でカットにトライする方は、どんどんチャレンジしてください。
まず、今回のピンボールボードのサイズを縦600mm、横400mmに設定。それに合わせたベースボードと、ベースの周囲を囲む素材をカットしてもらいます。
ボード上のピンには、ダボと呼ばれる木材接合用の部品と、DIYショップで売っている木製ブロック(今回は三角錐形と半球形)を用意しました。
また、転がす球は、サイズが合えばガラス玉やゴムボールも良いかと思いますが、今回はピンと同じ木製ブロックの球形のものを使います。

<材料リスト>
合板(18mm×400mm×600mm)1枚
合板(15mm×100mm×400mm)2本
合板(角材状 15mm×100mm×600mm)4〜5本
ダボ(6mm径、8mm径)各々数個
木製ブロック(三角錐型、半球形、球形)
丸棒(6mm径×200mm)1本
大型輪ゴム

白井さんのワンポイント

「ボードのピンは、パチンコ台のようなピンでも良いのですが、木製ブロックを使うと、インテリアとしてもオシャレな仕上がりになりますよ。」

材料のカット-1

まず、ベースボードの周囲を囲む材料をカットします。
15mm×100mm×400mmの合板を大きく半円状にカットしてベースボードの上部用にします。打ち出された球が、この半円状の部分を転がってピンの方に転がっていきます。

400mmの横辺の両脇に左右の枠の分10mmを確保して、その内側に大きく弧を描きます。
実は、ここで切り出した板の余りでプランジャー(球を打ち出す部分)を作ります。ですから、なるべく大きく深い曲線を描きましょう。両脇をコンパスで描き、中央部分で曲線でつなぐようにすると大きく描けます。

描いたラインに沿って、糸鋸でカットしていきます。
さらに、切り出した余り板から、プランジャーを糸鋸で切り出します。プランジャーは、指で引いてゴムの反力で球を打ち出す簡単な構造です。横長形状であれば、だいたい大丈夫ですが、あまり複雑なカタチにすると操作が難しくなります。
今回はかわいいデザインにするために“手”のカタチにしましたが、もう少しシンプルでもいいかもしれませんね。

白井さんのワンポイント

「糸鋸で曲線を切るのは難しそうですが、糸鋸の刃を文字通り『糸』だと考えて、刃を中心に木材を動かすように切ると、曲線も滑らかに切れます。」

材料のカット-2

ベースボードの上部に曲線を切った天井部分を置いて、ボードの両脇と下に角材で囲みを作ります。

白井さんのワンポイント

「角材の長さはメジャーで測って切ってもいいですが、実際にボードに置いてみて現物合わせでカットした方が早いです。ただ、置いてある材料が動かないように気をつけましょう。」

プランジャーのセット

実は、ここが今回の山場。プランジャーの位置を慎重に検討して位置を決めましょう。
先にできあがりを確認しましょう。(写真A)
左手の指先でプランジャーを手前に引くと、ゴムが伸びます。指を離すと、ゴムが縮んで球が前に飛び出す仕組みです。

まず、プランジャーが回転する軸を決めましょう。(写真B)
いろいろ動かしてみて、スムーズに回転する場所を見つけて軸位置を決定します。後ろに引いた時に枠に当たるようにすると、引きすぎて飛びすぎる心配がありません。
位置が決まったら、ベースボードに6mmの穴をあけて6mmの丸棒を差し込み固定します。プランジャーに7mmの穴をあけて丸棒に通し、動きを確認します。

プランジャーの中程に6mmの穴をあけて、6mmの丸棒を固定します。(写真C) このダボに輪ゴムの一方を引っかけて、もう一方をベースボード側に固定することで、プランジャーがゴムの力で動くようになります。

プランジャーにゴムをかけて、実際に何度か球をはじきながら、ベースボード側のゴムかけ用支柱の位置を決定します。(写真D)
決まった位置に6mmの穴をあけて6mmの丸棒を固定します。

全体の位置が決まったら、ベースボードの球を置く位置に6mmドリルで浅い穴をあけ、球置き位置とします。

白井さんのワンポイント

「単純な構造だけど、ここが意外に難しい。何度も試して、球が前に飛び出すように調整しましょう。プランジャーをヤスリで削ってカタチを調整したり、ゴムのかけ方で強さを調整したり(写真E)、いろいろやってみるとベストポイントが見つかります。」

外枠の固定

プランジャーの設置が終わったら、上下左右の枠を固定します。
それぞれの枠材にヤスリをかけて表面と角を滑らかにします。裏面に木工用接着剤を薄く塗ってベースボードに貼り付けていきます。

接着剤が乾くまでの固定用に仮止め釘を打っておくと、後の作業が楽になります。

白井さんのワンポイント

「仮止め釘は、金槌で横から軽くたたくと上部がポキッと折れて、釘自体はほとんど見えなくなるから、作業をスムーズに進めるのにオススメです。」

塗装-1

ボードに配置するピン代わりの木製ブロックを塗装します。全体の配色を考えてカラフルに塗り分けましょう。
水性塗料を使えば室内での作業や、子供たちに手伝ってもらう時も安心です。また、最近の水性塗料は乾きが早いので作業もスムーズに進みます。

木製ブロックを塗り終えたら、プランジャーも塗装しましょう。全体のポイントとなるように、木製ブロックは異なるトーンで塗るとデザインのアクセントになります。
今回は手のカタチで作ったので、手や爪のイメージで配色しました。

白井さんのワンポイント

「お父さんがベースボードを作っている間、子供たちに塗装を完全に任せてしまうのもいいかもしれませんね。どんなものが出来上がるかお楽しみ、子供のセンスってけっこう斬新だから楽しい結果が待っているかもしれないですよ!」

ボード面の制作

球が上部に行くように制御するガイド棒を付けます。ガイド棒の角度や長さ、プランジャーの発射角度や強さ等の微妙な違いで、球がスムーズに出なかったり、勢いが弱まったりします。ここでも何度か試してみて、球が一番キレイに飛び出す状態を見つけだしましょう。
試す時には、天井部の下に本を数冊置くなどして、全体が斜めになるようにすると、球がスムーズに転がります。

ガイド棒の位置や長さが決まったら、そのままベースボードに接着します。
天井の曲線の左端に、6mmの穴を2つあけてダボを打ち込み、球を内側に導くガイドピンにします。
球が転がり落ちてくるところに、適度な間隔で着色した木製ブロックを配置し、位置が決まったら、木工用接着剤で接着します。

ボードの下の部分に、球の入る大きさで等間隔でダボを打ちポケットにします。
転がってきた球がプランジャーの方に入らない用に、ポケットと並ぶように数本のダボを打っておきましょう。

白井さんのワンポイント

「ピン代わりの木製ブロックの配置も、子供と一緒にやると楽しいと思います。
接着する前に実際に球をはじきながら、いろんな置き方を試してみるといいでしょう。
ここにも置こうとか、こっちの方が面白いとか、ワイワイ楽しみながら位置決めをしてみましょう。」

塗装-2

最後にボードを塗装します。
枠組みだけを塗装するので、塗装しない部分はマスキングテープで丁寧に保護します。塗装が乾くのを待ってマスキングテープを剥がせばできあがりです。
今回はボード面の木の感じを活かすデザインにしましたが、ボード面に着色する場合は、ピン代わりの木製ブロックを付ける前に塗るとキレイに全面が塗れます。

白井さんのワンポイント

「はみ出したくないところは、しっかりマスキングした方がいいですが、多少のはみ出しや色むらは“味”と考えて、気楽にやった方がうまくいくと思います。」

みんなで遊ぼう


ピンボールとして遊ぶ時には、頭を持ち上げるように下に台などを置いて、球が上から転がり落ちやすくしましょう。
ポケット部分に点数を書いた紙を貼って点数を競ったり、お菓子などを置いて、狙ったお菓子をゲットして遊んだり、楽しみ方はいろいろです。
また、カラフルな色合いを活かしてインテリアとして飾ってもいいかもしれませんね!


後片付け

白井さんのワンポイント

「糸鋸はサビると刃が折れやすくなるから、使い終わったらKURE 5-56をシュッと吹きかけておこう。刃を締め上げるネジ部分にも吹き付けておけば、サビて外れないなんてこともありません。」

今回の制作には、こんな道具を使いました。

  • 糸鋸
  • 電動ドリル
  • 紙ヤスリ(80番/180番)
  • 接着剤
  • コンパス
  • マスキングテープ
  • 仮止め釘
  • ハンマー
  • 定規
  • 水性塗料、筆
  • 筆記具、その他

Profile

木工家 白井 糺
1947年東京都大田区生まれ
実家は下町の町工場で木型屋を営む。
中学卒業後すぐに木工職人として弟子入りしたが、
20代の頃、バイク好きが高じてレース活動に没頭。
世田谷区馬事公苑にバイクショップを開き独立。
その後、木工職人として復活。木工歴は約35年。
現在は木工やDIYの普及に力を注ぐ。
3.11以降、木工を軸とした被災地支援活動を継続して行っている。