DIYマイスターが、毎日の暮らしをハッピーにしてくれるオリジナルDIYを伝授する「Use 遊び心DIY」。
暮らしを楽しくする達人・木村博明さんの「マガジンラック」をご紹介します。
木材と電動工具で初心者にも簡単に作れる、レトロでアンティーク調の家具制作です。

材料準備

今回の主要素材は「1×材」(ワンバイ材)といわれる規格木材。アメリカの建築工法に使われる規格化された寸法で、インチサイズで表記されています。ただ実際の寸法は1インチ= 25.40㎜よりも、ひとまわり小さめ。例えば、「1×4材」(ワンバイフォー)ならば1インチ×4インチですが、実寸は約19㎜×89㎜。「1×6材」(ワンバイシックス)で約19㎜×140㎜です。
どこのDIY店でも手に入りやすく、リーズナブルで加工しやすいのが魅力です。
今回は、側面、背面、棚部分と主要部分をこのワンバイ材で構成。さらに前面のストッパーにアルミパンチングボードを使ってアンティークな雰囲気を出してみます。

<材料リスト>
1800㎜長の「1×4材」2枚(写真では4枚用意してありますが、使用は2枚です)
1800㎜長の「1×6材」2枚
アルミパンチングボード(1.0㎜×400㎜×600㎜)1枚
銅製タイコ鋲
粘着式ソフトクッション
細ネジ

木村さんのワンポイント

「ワンバイ材は品質が一様ではない場合があります。実際にDIY店で手にとって、曲がり、反り、木目、節目などを確認して選びましょう。木目や節目をデザイン的に利用するのも良いでしょう。」

側面板の製作

1×6材をカットしてラックの側面となる縦板を作ります。1×6材の板幅140㎜をそのままマガジンラックの奥行きとします。マガジンラックの高さは置き場所の都合なども考えて自由に決めますが、今回は1500㎜の高さにします。
まず、板材の片方の端を30㎜ほど切り落とします。これは捨て切りといって板の端を直角にするためのもので、2枚の1×6材の両方に行います。
これがマガジンラックの上端になります。

木村さんのワンポイント

「前回もお話ししましたが、電動丸ノコの使い方をおさらいしましょう。歯は板厚よりも少しだけ出る程度にセット。直角に切る時は、金属の三角定規でガイドするか、直角にラインを引いて、それに沿って切ります。注意したいのは、歯は回転してから木材に当てること!板に当ててから回すと、板が跳ねて危険です。」

捨て切りした方(上端)を基準にして、そこから1500㎜を測り、直角にラインを引きます。
今回のマガジンラックは、設置した時に前に倒れないように、後側(壁側)に斜めに立てかけるようなデザインになっています。そのために足元を斜めにカットします。
1500㎜で引いたラインの片側30㎜上に印を付けて1500㎜と1470㎜を結ぶ斜めのラインを引き、このラインに沿ってカットします。

同じようにもう一枚もカットしますが、今切った板を重ねてラインを引けば簡単です。この斜めにカットした方がマガジンラックの下端になります。
切り口は電動サンダーを当てて整えておきましょう。

木村さんのワンポイント

「ラインに沿ってフリーハンドで切る時の注意です。まず木材はクランプで固定。丸ノコの前方にガイドの印があるので、それをライン上に合わせ、歯をラインの先端に合わせて、ガイドと歯の位置がラインからズレないように気をつけてゆっくり切りましょう。」

カットした側面板に棚板の設置ラインを引きます。棚数は4段。1段目から3段目まではA4サイズの雑誌が余裕で置ける高さ40㎝にします。一番上の4段目は小物置きという設定です。
斜めにカットした下端の長い方から150㎜に、斜めに切った下端ラインと平行の斜め線を引きます。
さらにそこから400㎜間隔で3本の平行線を引きます。これが各棚の設置ラインになります。このラインに棚板の下面を合わせることになります。

2枚の側面板に同様の線を引きますが、この時、各側面板のどの面が内側になるのか、できあがりを考えながら間違えないようにしましょう。
さらに、板の外側面には各棚を固定するネジ用のラインを、内面と同じように下端斜めカットラインと平行のラインを引いていきます。
この時、最初の1段目のラインを最下段から160㎜とし、内側より10㎜高くします。これで、このラインに沿ってネジを固定すると内側の棚の中心に刺しこまれることになります。
あとは、内面と同様に400㎜間隔で3本の平行線を引くと、それぞれ内側に対して10㎜高くなります。

木村さんのワンポイント

「斜めの平行線は、下端から150㎜、400㎜・・・と辺の両側で測っていけば良いのですが、下端をカットした時の切れ端をガイド版に使えば、簡単に引くことができます。その時、他の切れ端でガイド版がズレないようにすれば、より正確になります。余り板をいろいろ活用していくのもDIYの醍醐味ですね。」

棚板の製作

棚板は1×4材を使います。今回のマガジンラックは、デザインアクセントとして棚のストッパーにアルミパンチングボードを使いますが、このアルミパンチングボードの製品の幅400㎜をそのまま使えるよう、マガジンラックの横幅も400㎜にします。
棚板を側面板で挟むような構造にするので、棚板の幅は、マガジンラックの仕上がり幅(400㎜)から側面板の板厚2枚分(19㎜×2)を引いて、362㎜。ここは区切りよく360㎜にします。左右1㎜ほどパンチングボードが出ますが、後から処理しますので大丈夫です。
1800㎜の1×4材1枚から、360㎜長の棚板4枚を切り出します。

木村さんのワンポイント

「まずは側面板の時と同様に数十㎜の捨て切りをして、そこから360㎜を測って切ります。先に4本分のカットラインを引いて切ると効率的に見えますが、丸ノコの厚みの分で長さが変わってしまいますから、1枚ずつ採寸してカットするのを繰り返したほうがいいでしょう。面倒なら、最初にカットした板を重ねて採寸すると簡単です。」

今回のマガジンラックは、デザイン性を考えて、側面板より幅の狭い棚板を使っています。雑誌を斜めに置くことを考えて、棚板はマガジンラックの前面に揃うように配置します。棚板の後側に空きができる構造です。
棚板の位置が決まったらビスで固定します。
棚板と側面板の固定には板割しづらいスリムビス(3.3㎜×40㎜)を使います。雑誌など軽い物を乗せるラックなので細いビスでも大丈夫です。側面板の外側のガイドラインに沿って、ビスよりも細い径のドリルでガイド穴をあけます。1枚の棚板に対してビスは片側2本から3本で大丈夫です。
片側の側面板に4枚を固定したら、反対側の側面板も同様にして固定します。

木村さんのワンポイント

「ガイド穴をあけたら、インパクトでビスをねじ込みますが、最初はビスの頭が数㎜出る程度にねじ込み、棚板の位置に注意しながらビスの頭に棚板の側面を押しつけるようにします。それである程度棚板が固定できるので、それからビスを最後までねじ込みます。不安定だと板が揺れたりして難しいですが、ゆっくりやれば心配ありません。」

背面板の製作

背面板は棚板と同じ1×4材を使って2種類を用意します。主に雑誌を入れる1段目、2段目、3段目は、スペース効率と作業効率を考えて、側面板の後に打ち付ける配置に、そして最上段用だけは、見栄えと少し小さなものも入れることを考慮して側面板で挟むカタチにします。そのため、雑誌スペース用の3枚は長さ400㎜、最上段用の1枚は棚板と同じ360㎜とサイズが異なりますので、気をつけてください。棚板とまったく同じ作業で、長さに気をつけて切り出します。

1段目、2段目、3段目の雑誌スペース用の背面板は、入れる雑誌の大きさを考えて適切な位置に配置すればいいと思いますが、デザインの面白さを考えて、敢えて位置をバラバラにしたり、間隔を変えて位置決めしても面白いと思います。位置が決まったら側面板の後ろ側にスリムビスで取り付けていきます。
最上段の36㎝サイズは棚板の背面に側面板で挟むように、棚板の取り付けと同じ要領で取り付けます。

木村さんのワンポイント

「同じようなサイズの板をいくつも使いますから、間違わないように番号を付けておくのもいいかもしれません。鉛筆で書けば後から消しゴムで消すこともできますし、ペンで書いたものなら、汚れ落としもかねてサンダーやグラインダーで削って消すこともできます。」

最後に、側面板の下端の床に着く部分と上端の壁に当たる部分に粘着式のソフトクッションを付けて、全体的なカタチはできあがりです。立てかけてみると階段ハシゴのような雰囲気ですね。

塗装

木目の雰囲気などを活かすのであれば、このままでも良いですし、逆に材質が分からないほどシッカリと塗ってしまうのもお好みです。
今回は、スプレー塗料を使った簡単な汚し塗装の手法で、レトロでアンティークな雰囲気に仕上げてみることにします。
塗る前に、下に新聞紙や不用な布をひいて汚れ対策をしましょう。また、今回はスプレー塗料を使いますので、周囲に飛び散ることも考えて場所を選びましょう。

まず下地に水で薄めた水性のホワイト塗料を刷毛塗りします。今回は塗料1に対して1/3の水を加えて、塗りやすくするとともに、木材の木目や節目が透けて見える効果を狙いました。
水を加えた塗料を良くかき混ぜたら、刷毛に含んだ余分な塗料を容器の縁で絞って、薄めに塗っていきます。
水性ですのでソフトクッションなどに着いた塗料も、乾く前に拭き取れば簡単に落ちます。

木村さんのワンポイント

「水性塗料は水道水で簡単に薄めることができますし、薬剤を使わないので身体にも安心です。また、最近の水性塗料は、乾きも早くなっていて使いやすいです。
薄める時は、少し水を多めにして薄くのばすのがコツ。伸びが良くなり塗りやすく、乾きやすいです。刷毛で板の表面を拭くような感じでサッと塗ります。色が薄いと思ったら重ね塗りをしましょう。」

下地を塗ったら、ここからは水性のスプレー塗料を使います。今回は薄めのグレー色と黒色を使います。2種類を使うことで、リアルな汚れ感を出していきます。

色を塗る時は、薄い色から塗っていきましょう。今回はまずグレー色を塗ります。塗る面から最低でも300㎜以上離して、ノズルを軽く押しながら、スプレーを振るようにして吹きかけていきます。次に黒色のスプレーで全体に汚しの濃淡を付けていきます。乾いてきたら裏返しにして、裏面も塗っていきましょう。
今回は、普通のカラー塗料を使っているので、仕上げに艶消し塗料を吹き付けくすんだ感じを出していきます。

木村さんのワンポイント

「汚しの感じは好みにもよるので自由にやってみてください。倉庫の奥で眠っていたような古い感じを出すなら濃いめに、ちょっとしたアンティーク感ぐらいなら薄めに吹き付けると良いでしょう。
どちらにしても、一気に吹き付けないで少しずつ全体を見ながら塗っていくのがコツです。」

パンチングボードの取り付け

棚に置いた物が落ちないように前面に柵を作ります。用途としては落下防止なので、材質は何でも良く、背面板と同じように1×4材をカットして取り付けるのも良いと思います。その場合は、背面板の製作を参考にやってみてください。
今回のマガジンラックでは、デザインのポイントとして前面にアルミ製のパンチングボードを取り付けることにしました。
用意した400㎜×600㎜のアルミパンチングボードを効率的に活用するために、幅400㎜で、最上段用に60㎜、2段目、3段目用に各150㎜、残り約240㎜分を一番下の1段目用としてデザインに変化を付けてみました。

アルミパンチングボードの切断にはディスクグラインダーを使います。基本的にはディスク側面で金属を削ったり磨いたりする工具ですが、丸ノコのように使うことで金属板のカットにも使えます。
ただ、金属の粉や破片が飛んだりしますので、必ず保護メガネなどを着用して目を守ってください。

木村さんのワンポイント

「専用の保護メガネではなくても、水泳用やスキー用のゴーグル、傷付いてもいい古いメガネがあれば。それでもいいです。
ディスクグラインダーでカットする時も電動丸ノコと同様に、先に回転させてから切断部分に当てるようにしましょう。」

作業は、まず先ほどのサイズで線を引いて、それに沿ってディスクグラインダーでカットしていきます。カットした面は危険ですから、必ずディスク側面で滑らかに磨いておきましょう。

最上段はカット面を磨いたら、製品の縁(滑らかな部分)を上にして銅製のタイコ鋲で固定していきます。

2段目、3段目および最下部の1段目用のものは、物の出し入れ時に危険がないように縁を折り曲げます。
カット面をディスクグラインダーで磨いた後、端材に乗せて縁から10㎜ほど出します。そして端材の縁を利用してハンマーで直角に曲げていきます。その後裏返して内側に織り込んでいきます。最後は余り木などを使ってシッカリと折り曲げましょう。

木村さんのワンポイント

「パンチングボードの折り角は完全に折らずに、少し丸みを残しておきましょう、手触りが良くなるだけでなく強度も増します。
今回は、デザインポイントとして銅製のタイコ鋲を使用してみました。目立つ部分ですので、お店でいろいろな鋲を探して自分なりにアレンジしても楽しいでしょう。」

最上段と同様に銅製のタイコ鋲で固定して、できあがりです。最後にラックの縁に沿ってパンチングボードの縁を折り曲げておけば安全です。

今回の工具

今回は、電動丸ノコ、電動ドリル、電動インパクトドライバー、電動ディスクグラインダー、電動サンダー等の電動工具を中心として製作しました。

木村さんのワンポイント

「最近の電動工具は昔に比べれば音も静かになりましたし、コードを使わない充電式も多くなり使いやすくなっています。金属可動部分にKURE 5-56をシュッと一吹きしておけば、いつでも快適に使うことができますから、スピーディーに作業を進めたい時にはお勧めです。」

今回の制作には、こんな道具を使いました。

  • 電動丸ノコ
  • 電動ドリル
  • 電動インパクトドライバー
  • 電動ディスクグラインダー
  • 電動サンダー
  • 金属三角定規
  • L型金尺
  • 水性塗料
  • 水性塗料スプレー
  • ハンマー
  • メジャー
  • 筆記具

Profile

株式会社木村グリーンガーデナー 代表 木村博明
1966年千葉県市川市生まれ
京都木戸雅光作庭事務所にて修行
木村グリーンガーデナー二代目として現在に至る。
第八回TVチャンピオン「ガーデニング王」準優勝
2003年 2004年 2006年DIYホームセンターショウで、講師&ガーデン製作を担当
2004年季美の森ガーデンコンペ優勝!!
2005年5月号より学研社「ドゥーパ!」にて“木村博明のモダン和風ガーデン小物”好評連載  「自然暮らしの会」、マスターインストラクター